【エスタック＆ニース】ひよこ豆のパニス

【料理名】
パニス
Panisse

パニスは、ひよこ豆のペーストでできた揚げ物（または、ソテーした物）。粉状の豆と水を混ぜ、もったりとするまで火を通し、一度冷やす。休ませた生地を成形して揚げる。シンプルでいて美味しいが故に、プロヴァンスでは、特にエスタックやニースで好まれている。道端やお祭りで見かけることが多く、コルネ状の紙に包まれて12枚入っている（写真のような）。また、揚げる前の状態で、ケーシングに包まれた生地がお店で販売されていることもある。

【歴史】

19世紀にプロヴァンスに移住したイタリア人から伝わったとされる。リーグリア州（イタリアのジェノバ）から、南フランス南東部のマントン（イタリアとの国境）、マルセイユへと伝来してきた。原型となったジェノバのパニスは、ひよこ豆ととうもろこし粉の２種類で作られていたのではと言われている。

【ソッカとの違い】

ひよこ豆を使った料理として、ニースには「ソッカ（socca）」という名産品がある。実は、両方とも同じ材料から作られる。しかし、ソッカの場合は、ひよこ豆の粉と水を混ぜたゆるい生地を鉄板に広げて熱して焼かれる（またはオーブンで）。狐色に焼けた生地を刮いで、黒胡椒をかけ、指で摘んで食べる。