世界の生産者から集めたスパイス
小瓶に入っているのは、世界各国から集めて作られたスパイスです。香辛料をオリジナルで配合し、販売しているお店、ノミィ「NOMIE」は、パリ17区にあります。店主のMarie-Lou さんとCharlesさんは、香辛料の貿易業に15年間携わっていたMarie-Lou さんの母親から引き継いでこのお店を始めました。店内は、こじんまりとしていながらも数多くの厳選された香辛料が並んでいて、商品は、グルテン、塩分、添加物不使用で100%自然由来の原材料を使用して作られています。
ネパール原産のティミュットは、花椒や山椒の仲間。香りがグレープフルーツや乾燥ハーブに似ていて、料理だけでなく、デザートやチョコレートとも相性が良い不思議な香辛料です。胡椒のような辛さはありませんが、ピリリとした痺れるような刺激が舌に残ります。
「NOMIE」さんのサイトでは、香辛料を使った独自のレシピが提供せれており、ティミュットのページでは、薄くスライスした苺に、数種のハーブを砂糖と煮詰めて作ったシロップをかけて最後にティミュットを振りかける「苺のカルパッチョ」が紹介されていました。
必要なハーブ:タラゴン・ディル・トンカの葉
シロップの作り方:
砂糖100gと水100gとトンカの葉をお鍋で火にかけ弱火で15分ほど煮詰めます。
因みに、シロップは数週間保存可能です。
「NOMIE」さんでは、日本の山椒もあります。和歌山県から取り寄せられ、新鮮でシトロネルやライムのような柑橘系の香りを彷彿とさせます。レシピのアイディアとして、生肉のタルタルや魚介のマリネ、タイ風スープの香りづけが紹介されています。是非とも、うなぎを使ったレシピ提供をお願いしたいところです。
Marie-Lou さんが気に入っている商品の一つが「PAPRIKA FUMÉ」。この商品は、太陽が燦々と輝くスペインで育ったパプリカを粉にして燻製したものです。味がチョリソーに似ているため、ベジタリアンの食事にプラスして使える優れもので、彼女曰くさつまいもチップスにふりかけるのは絶品との事です。私も買って様々な料理に試してみました。辛味はなく、燻製の香りを足してくれるので特にダイエット中の質素な食事にオススメです。
顧客に寄り添ってできた商品
香辛料は、時に一度使っただけで戸棚に長い間放置してしまうことがあります。そこでCharlesさんは、一回分の味付けに必要なスパイスを調合した商品を作りました。例えば、写真の商品は、「炙りサーモンのたたき」の味をイメージしたものです。中のスパイスは、わさび、燻製パプリカ粉、白ごま、カレー粉、黒胡椒、コリアンダー、カイエンペッパー、タイム、マスタードの粒、クミンの11種が混ぜられています。後は、厚切りのサーモン、レモン、醤油、パクチーを用意するだけで美味しい一品が完成するというわけです。サーモンのたたきが我々の想像といくらか懸け離れてはおりますが、このように何種類ものスパイスが既に必要な分だけ調合されていたら便利ですよね!お値段は、5.80€と安くはないですが、一つずつ揃えるよりは断然お得です。この他に15種類の商品が販売されています。
香辛料を伝えるために
例えば、胡椒やシナモンと聞けば味も見た目も容易に想像はつきます。しかしながら、クミンやナツメグ、カルダモンと言われたらどんな料理に使われるのか考えてしまいます。唐辛子と一括りにしても、ハバネロやハラペーニョのような激辛のものもあれば、ピーマンやパプリカのような全く辛くないものもあります。多くの人にこのような香辛料の味や違い、使い方を知ってもらうために「NOMIE」では、ただ売るだけでなく一緒にスパイスを使った料理をしたり、試食を通して勉強できるワークショップを開催しています。5〜10人の参加者が募れば、自宅に出向いてくれるサービスもあります。
まとめ
今回は、パリにある香辛料店ノミィ「NOMIE」を紹介させていただきました。一つが少量で売られているため、値段も手に取りやすい価格となっています。(オンラインでの購入はこちら)彼らは常にオーガニックの考え方を持つ生産者との商品作りに励んでいます。また、こだわりを感じるという理由から小規模生産者からの輸出を好んでいます。日本の農家と既につながりを持っているので、海外輸出を考えている生産者の方はコンタクトを取ってみるのもいいかもしれません。香辛料に深い知識を持つ彼らなら、フランスで丁寧にそして愛情を持って商品を販売してくれるでしょう。
お店:NOMIE
住所:35 Rue Davy, 75017 Paris
時間:月〜金 14:00〜18:00
電話:09 83 26 79 22
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