今回は、マルセイユの治安情報について紹介していきます。
在マルセイユ日本国総領事館や地元の情報サイト、現地人の声をもとにまとめております。
ご旅行の際の参考になれば幸いでございます。
マルセイユについて
マルセイユは、フランスでパリの次に大きな都市と言われている港町です。約87万人(2021年時点)が暮らし、多くはイタリアやアフリカ、中東など近隣諸国からの移民で構成されています。特に夏は温暖な地中海性気候に、青々とした海のコントラストが美しく、世界中から沢山の旅行者が訪れます。
光の裏
しかしながら、フランス人には大変不人気な街なのです。理由は、治安の悪さ。世界中の治安情報が分かるアメリカのサイトNumbeoによれば、マルセイユは国内で2番目に犯罪率が高い街と言われています。(1位はナントでパリは4位)日の当たる時間は特に問題ありませんが、夜の一人歩きは危険を伴います。ヴァンダリズムや、ドラッグの売買、暴力や刃物を使った攻撃などのトラブルに巻き込まれないためにも、危険エリアを事前に把握しておきましょう。
①よくある犯行手口
- スリ①
☞電車の中や人とすれ違う時に、鞄の中やポケットから物を盗む- 対策方法:鞄はよく閉め、ズボンや洋服のポケットに物を入れない、くっついてくる人がいたら離れる
- スリ②
☞物を落として、拾ってあげている間に共犯者に盗まれる
☞アイスやケチャップを引っ掛けられ、汚れを拭いてくれるが、その間に共犯者が物を盗む- 対策方法:液体をかけられて拭こうとしてきたら、断る(特に男性被害者が多い)
- ひったくり(電車)
☞発車直前に盗られる被害が多い
→別記事でイラスト付きで紹介しています「よくある盗難法」- 対策方法:メトロに乗る時はドアの近くに物を置かない、スマホを触らない
- ひったくり(道)
☞バイクに乗った二人組に盗られる、信号待ちの助手席や後部座席の扉を開けて盗られる(特にレンタカーがよく狙われる)- 対策方法:荷物を肌身離さず持つ、車の扉はよく閉め、車内に物を置かないor目のつかない所に隠す
- 置引き
☞駅構内やレストラン、空港施設に隣接するレンタカーの営業所付近で声をかけられ応じている間に共犯者に盗られる・長距離列車やバスで仮眠中やトイレに行っている時に盗られる- 対策方法:怪しい人物と目を合わせない、荷物から目を離さない
日本国総領事館のサイトを読んでいて怖いなと思ったのが以下の事例です。
欧米系と思しき男が「市内を案内する。」「自分も観光目的で来たので一緒に観光しよう。」などと英語で話し掛け、市内の観光名所を巡った後、公園等で休憩中に睡眠薬入りのアイスクリームやチョコレート等を差し出して食べさせ、相手の意識が朦朧としている間に荷物を奪う。 また、カフェで飲食中、欧州系の男性に流暢な日本語で話し掛けられ、ひと気のない別のカフェに誘われた後、睡眠薬の入ったビールを飲まされ、性的被害に遭う。
在マルセイユ日本国総領事館(日本人の被害状況)
旅先での出会いは大切ですが、疑心を忘れずに。
目の前で購入していても、店とグルになっている場合があるので注意しましょう!
②危険区域
①マルセイユ北部
危険度
最も危険なエリアとして上がるのは、マルセイユの北部(13〜16区)の貧困区域です。Youtubeに街の様子が分かる映像があるのでご興味のある方はこちらからご覧くださいませ。
映像は、違法薬物のルートとされている15区のLa Castellaneです。サッカー好きの方なら聞いたことのある地域かもしれません。
第二次世界大戦後、マルセイユの工場で働くためにやって来た移民達(多くは、ジプシーやアルジェリア人)により、この一帯が形成されました。老朽した建物が並び、現在まで地下鉄路線などはほとんど配備されておりません。これは、この地域が他から孤立している事をよく表しています。貧困と不十分な教育環境で育つ子供達が薬物売買に手を出す負のループは珍しいものでもなく、何十年とこの土地で行われている事なのです。
旅行目的で訪れる際は、絶対に近寄らないことが身のためです。
万が一、この場所を通る場合は、Uberを利用し街中は歩かないようにしましょう。
16区には美しい港も
実は危険地帯ど真ん中の16区には、美しい海景の見える漁村があります。
ポールセザンヌの絵画で有名な「エスタック(L’Estaque)」は、特急TERで、マルセイユ中央駅から約8分ほどの距離にあります。港周辺は穏やかな場所なので安心して観光も楽しめます。
特急TERに乗った時に撮影した車窓からの映像はこちら
マルセイユ中央駅
危険度
TGVやバスの発着、人気の観光エリア「旧港(Vieux Port)」が近く、大荷物を運ぶ旅行者が募る場所です。
スリ、置き引き、ひったくりの被害が後を絶ちません。駅構内を歩く際は、カバンのチャックは必ず閉め、スマホも極力閉まいましょう。また、チケットの購入やチャージは、荷物やカード盗難の恐れがあるので極力控えたいところです。
数年前、22時発の夜行バスを待つ為に滞在ましたが、外は明るく、駅構内で待てたので恐ろしいほどの恐怖は感じませんでした。(無知な私が怖い!)
現在は、仏人彼から「20時頃は一人で行ってはならない」と言われているので夜は近づいておりません。
カヌビエール通り
危険度
旧港(Vieux Port)の東側にあるカヌビエール通りには、沢山のお店が立ち並びます。お土産屋さんやレストランも多く、旅行者を狙った犯罪が頻繁に発生しているエリアです。
お土産購入
できるだけ、リュックサックやバッグに荷物を入れ、両手が塞がらないようしましょう。
カメラ撮影
カメラで景色を撮るのなら、荷物の少ない時にするか同行者に持ってもらいましょう。カメラごと盗られる恐れもあるので注意が必要です。
港の近くで活気に溢れた明るいエリアです。とにかく人と交わることが多く、毎回通る度にドキドキします。
3区のFélix PyatとBellevue付近
危険度
3区は、国内で最も貧困な地域と言われていた場所ですが、現在は街開発が進み、新しい建物や会社が増えてきています。因みに日本のホテル「東横IN」もあります。ただ、一部地域(上に挙げた場所)は、今も廃れた雰囲気が続いております。
アジア食品店Paris Storeもあるのですが、一人で歩くのは気が引ける場所だったので、極力行くのは控えています。
11区のAir Bel付近
危険度
12区のles Caillols付近
危険度
③緊急時の連絡先
- 在マルセイユ日本国総領事館:04 91 16 81 81(月〜金:9:00〜12:00、13:45〜16:30)
- 救急車(SAMU-サミュ):15
- 警察(Police-ポリス) : 17
- 火災・救急(Pompiers-ポンピエ) :18
- カード会社
- JCB : 00-800-0009-0009 (24時間日本語対応)
- VISA : 0800-919-552(24時間日本語対応)
- Mastercard : 08-00-901-387 (24時間対応、日本語不可)
- アメリカン・エキスプレス : 0800-90-83-91(24時間日本語対応)
- DINERS : +81-3-6770-2796(24時間日本語対応)
- 三井住友VISA/MASTER : 00-800-1212-1212 (24時間日本語対応)
在マルセイユ日本国総領事館の地図
④夜間観光はできる?
マルセイユは、日照時間が長いので20時頃でも昼間のように明るい街です。
なので、できれば夜の観光も楽しみたいところですよね!
夜間の外出について地元の人に聞いたところ、
以下の条件を守って行動するようアドバイスをいただきました。
- 安全地区を歩く
- 素面状態が好ましい
(泥酔はご法度です) - 公共交通機関やUber、タクシーを使う
- サッカーの試合がある日を避ける
【比較的安全な地区】
- 2区 La Joliette、Le Panier
- 4区 Les Cinqs Avenues
- 6区 Notre-Dame du Mont
- 8区 La Pointe Rouge
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