最近は、低価格でもクオリティーの高いスイーツが増えましたね。私も日本にいる時は、セブンイレブンさんの新作スイーツを出ては試しておりました。手軽にこうしたデザートが買えると手作りする機会が減ってしまい、なんだか嬉しくも切なく感じます。
フランスでもスーパーで買えるお菓子の質は高く、日本でもお馴染みのボンヌママンが出しているチョコムースやババ、ティラミスがあったり、DanoneやNestléの商品も陳列棚を占めています。そんなことで、最近は作るより購入派になっていた私ですが、ふと、製菓コーナーを通った時に足を止めました。微かなココナッツの香りが心地よく、その匂いの元を探すと茶封筒のようなシンプルなパッケージが目に入ってきました。中には、ココナッツプリンが作れる粉が入っていて袋の表面には、作り方と商品説明が載っています。値段も１€前後と安価だったので購入してみました。
原材料：コーンスターチ、ココナッツの香料２０％使用（自然由来）、ゲル化剤にカラギーナンと寒天、ココナッツシュレッド２％使用（ココナッツを削ったもの）
＊原材料は全て、オーガニック農家で採れたものを使用しています。
商品の作り方
制作時間：5分/ 人数：4人分
作ってみた感想
ココナッツの風味と香りが抜群です。短時間で、しかもあの安さで作ったとは思えないほど舌触りもなめらかで美味しくて満足しています。砂糖を自分の好みで入れられるので摂り過ぎずに済むし、種類も自分で選べるところが良いポイントだと思いました。例えば、写真のように他の果物と合わせると果物の甘みで砂糖をさらに抑えることができます。
作っていて気がついたところは、
・＜牛乳の温度に注意＞ パッケージには、人肌の温度の牛乳をこのプリンの粉と混ぜるように指示があります。しかし、熱すぎると粉がダマダマになってしまうので、常温の牛乳を使うべきだと思いました。
製造している会社はどこ？
このプリンの粉を製造しているのは、FRANCE DELICESという企業です。１９９４年にリヨンの北に位置するMessimyという町で設立されました。スイーツを作るミックス粉が主な商品で、その他、野菜のピュレも販売しています。香料を使ったものが多く具体的には、
- プリン（チョコ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、バニラ、コーヒー、スペキュロス…etc）
- パンナコッタ
- クッキー
- ケーキ
そして、ほとんどの商品は、砂糖・グルテン不使用でECOCERT*より有機認定されています。フランス全土のオーガニック店（bicoopさん、L’Eau Vivreさん、Satorizさん等）で購入可能だそうです。
＊ECOCERT…オーガニックの品質を保証する国際有機認定機関（日本支社）
FRANCE DELICISさんのHPはこちらになります。
原材料から見るオーガニック思考
プリンにしても、ケーキにしても使っている原材料の少なさに驚かされます。例えば、日本のプリンの粉ならば、砂糖はもちろんのこと食感を滑らかにするために増粘多糖類が添加され、ミルク感を出すために脱脂粉乳や油脂が使われます。産地のチェックは食材選びの基本といえるフランス人には、よく分からない原材料が多く含まれた食品より、シンプルな材料で作られている製品の方が良く目に映ります。だからといって、多くの原材料を含む食品を否定するわけではありません。食品添加物として扱われている増粘多糖類でも、天然由来で作られているものがほとんどで、最近は介護食で重要な役割を果たしています。ただ、オーガニックを好んで選ぶ人々の多くは高いお金を払ってでも健康で安全な食品を摂りたい人が多いのが現実です。つまり、原材料の多さが仇になるかもしれません。
まとめ
今回は、簡単に作れるプリンの粉を紹介しました。材料、包装、作り方と全てシンプルでいて、製作時間は、わずか５分。一から十まで揃っている便利な冷凍やレトルト食品が重宝されていますが、安全を買う人々が増えてきている近年、こうしたオーガニック由来の手作りキット商品の需要は少しずつ高まっていくでしょう。
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